2008年

2014/11/14

いけ「ねこむすめ道草日記」

「妖怪ウォッチ」によって空前の妖怪ブームが来てる感もありますが、そんなこととはあまり関係なく、田舎町で暮らす妖怪の愉快な仲間たちと人間の交流を描く漫画です。萌えに振った妖怪物としてはある意味で完成形ともいえる感じですが。

僕は10年ぐらい東方Projectを追っていたので(今はちょっと過去形にしておきます)、東方と並走的にこのジャンルが発達してきた気もするのですが、異論のある方もいるでしょうからあくまで感想としておきますけども。

妖怪漫画の傑作といわれた「もっけ」が、人間の姉妹の成長を通じて妖怪の世界を通りすぎていくものだったのに対し、妖怪がメインで博物学的に登場妖怪が増えていく(しかもほとんど退場しない)という点も東方に似ています。

もっとも退場する妖怪があまりいないことで、メインキャラ以外は順番待ちになっているということも多く。2002年から作者が描き綴ってる同内容の同人誌で初登場し、本編にいきなり出てくることもあってフォローが大変だったり。

お気楽な漫画とはいえ、街で暮らす寿命の長い妖怪のこと、人間と一緒に過ごせる時間は少なく…その時間の差異が折々で明確に差し込まれることが、ただ萌えに特化しただけでない漫画にしているんじゃないでしょうか。

個人的には8巻の髪が伸びる人形にまつわる話が切なくておすすめ。楽しい道草は帰る所があればこそ捗るものですので、寄る辺をなくすモノがどこかにいる想像させられると、帰途を急くように背中を押される気持ちになります。今後も楽しみにします。

teamlink_oka at 14:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)