2015/03

2015/03/16

谷川ニコ「ナンバーガール」



「喪女」という独特なテーマである意味話題になった「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」でヒットを飛ばした作者さん(二人組)の漫画ですが、キワモノ的な表現やら下ネタを極力抑えてある本作は、意外なほど(失礼)真っ当に面白いSF萌え系4コマ漫画になっています。

クローンとして生まれたばかりの16人の少女が、クローン用の学校(高校相当)で勉強し社会常識を身につけて旅立っていくという目的で共同生活を送っている訳ですが。

物語の始まりではほぼ個性のなかった彼女たち(瞳の中にナンバーが描かれている以外は全く同じ姿)は、TVや周囲の人、学外の同世代ぐらいの少年少女と遭遇する出来事などなどを経て、個性を獲得していきます。2巻終了時点で飛び抜けた個性を持つ子と、未だにそうでもない子がいて面白いというか。

同じものを与えられて同じように暮らしているのに、大体要領よくやってしまう子がいたり、いつも貧乏くじを引いてしまう子がいるのが切ないですが、事象の偏りというのは何処にでも発生するのだなぁというか。

まぁ、クローンが何の目的で作られているかとか、そういうシリアスかつディストピア的な視点はないので、全員がそれぞれ無事に学校を卒業して社会に出ていくまでを緩く応援し愛でるという感じでしょうかね。

抑制されてはいるものの、「わたモテ」から続く作者さんの個性として一部ブラックなギャグがあったりしますが、それが4コマ漫画に大切なテンポあるオチとして機能しているんじゃないかと思ったりします。




「わたモテ」アニメ版。
”もこっち”ことヒロイン・黒木智子を声優の橘田いずみさんがゲスく熱演しています。

teamlink_oka at 19:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)漫画